本研究では,日本語と中国語の初対面・友人同士の会話において,再ほめがどのような状況で,いかに行われているかを分析した.その結果,友人同士の会話では,日中ともに,ほめ手が自発的にほめ続けたり,相手の反応を見ながら柔軟に再度ほめたりしていた.一方,中国語の友人同士の会話では,ほめを受け入れなかった相手を再ほめで説得しようとする傾向が日本語より強かった.また,日本語の初対面会話では,ほめ手が再ほめを行うと同時に過度に相手の領域に踏み込まないようにし,会話参与者双方が互いに配慮している特徴が見られた.それに対して,中国語の初対面会話では,ほめられた受け手が新情報を提供して会話を進め,それに応じてほめ手も再ほめを行い,会話参与者双方が積極的に関係構築を図っている特徴が見られた.