語用論研究
Online ISSN : 2759-3363
Print ISSN : 1345-7365
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〈招待論文〉研究論文
  • 野田 尚史
    2025 年26 巻 p. 1-19
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/09
    ジャーナル フリー

    この論文の目的は、日本語学習者が日本語を聞いたり読んだりしたときの理解過程を明らかにすることである。その目的のために、日本語学習者に日本語の音声を聞いてもらったり日本語の文章を読んでもらったりして、その音声や文章をどう理解したのかを自分の母語で話してもらう調査を行った。その結果、たとえば(1)や(2)のような理過程程が明らかになった。

    (1) 学習者は、複雑な文法構造を持つ文を、文法的に分析するのではなく自分が持っている背景知識から語用論的に解釈し、その文の意味を不適切に理解することがある。

    (2) 学習者は、わからない部分を、その前後にある文法形式の機能やその前後の文脈から語用論的に解釈し、その部分の意味を適切に推測することがある。

Invited Papers Research Paper
  • 吉村 あき子
    2025 年26 巻 p. 20-42
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/04/09
    ジャーナル フリー

    メタファーを定義することは容易でない。しかし実際に私たちは、「ジュリエットは太陽である」のようなメタファー発話を、「花は植物である」のような非メタファー発話から明確に区別している。私たちは、少なくとも3つの異なるレベル(対象物、命題、ストーリー)の類似性に基づきメタファー発話を解釈している。本論文は、何が私たちにメタファー性を認識させるのかについて、上記3レベルの各解釈プロセスを検討し、共通する解釈パターンを抽出規定することによって説明可能であることを主張する。本論文はまた、本稿が「ストーリー・メタファー」と呼ぶものを観察することによって、複数の命題からなるストーリーを入力とする抽象化等の帰納的推論規則が、推意を引き出す上で重要な役割を果たしていることを明らかにする。

〈一般投稿論文〉[研究論文]
[書評]
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