外国人保護者の読解支援に活かすため、発話機能論を援用し学校お便り文書における行為要求文が持つ形式と機能を分析した。642部(18,622文)のうち559部(87%)から4,591文の行為要求文を抽出した。18の文機能のうち、〈遂行〉や〈命令〉など、明示的な文形式の行為要求文が6割を超える一方、〈関係叙述〉や〈描写要求〉などの非明示的行為要求文は35.8%に上った。発話機能分析の結果、{策動}系の発話機能を持つ文のうち25%が「間接的」な発話機能を持つ。行為志向的ではない{演述}や{表出}の発話機能文を加えると、全行為要求文の約4割は命題内容が明示されないか文中に埋め込まれた、非明示的な行為要求文であった。保護者は、要求内容と機能を類推する必要があり、これが「分かりにくさ」の一要因であると考えられる。