小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
若年性特発性関節炎,関節リウマチの画像診断 -単純X線所見と評価-
稲葉 裕斎藤 知行
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2008 年 1 巻 1 号 p. 32-38

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抄録
全若年性特発性関節炎(JIA)の単純X線検査で観察される所見は,基本的には成人の関節リウ マチ(RA)と同じであるが,小児の特殊性として,成長に関係する所見に注意を要する. RAのX線 評価法では,Steinbrockerのstage分類, Larsenによるgrade分類, van der HeljdeによるSharp変 法などが用いられるが,JIAに対する確立した評価法はまだない. JIAの単純X線像ではいくつかの 異常所見が混在することが多いが,多関節型は成人RAに類似し,関節裂隙狭小化や骨びらんなどの 所見が主体であるのに対し,全身型では骨粗霧や軟部組織腫脹などが主体である.また関節裂隙狭小 化を伴わない骨端部の不整像は全身型JIAに特徴的な所見であり,X線学的には骨端異形成の状態で, 軟骨内骨化障害の関与が考えられる.単純X線所見を詳細に検討することは病態解析に有用であり, その他の手法とともに病態解明の一助となる.
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© 2008 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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