抄録
小児リウマチ性疾患にもwindow of opportUnityの概念が導入され,早期病態から適切な治療
を選択して治療介入を行うことで,完治・寛解をめざした治療が展開されるようになった.
JIA少関節型で完治・寛解をめざすには,発症6カ月以内の治療介入が重要である.また,難治性多関
節炎病態は,全身型発症JIAで多関節炎が遷延する例や, RF/抗CCP抗体陽性多関節型JIAにみられ,
完治・寛解導入可能な適切な量(10mg/m2/w)のMTXが初期治療から必要である.また不応例に対し
ては,TNFやIL-6阻害薬による寛解導入が可能である. SLEでは, IVCY不応のクラスIV腎炎やCNS
ループスが問題になるが,抗CD20抗体(Rituximab)による寛解導入が図られている.
このように,病態や予後を見据えた早期治療介入が,小児リウマチ性疾患における完治・寛解のwindow
枠を広げつつある.