小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
Nod-like receptorの機i能から考える 「自己炎症性疾患」の分子病態
増本 純也長谷川 瑞穂猪原 直弘
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2008 年 1 巻 1 号 p. 51-56

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抄録
ヒトの細胞内ではNod-like receptor:Nod様受容体(NLR)と呼ばれる分子が病原体構成成分 を認識するセンサーとして働いている.NLRの認識する病原体構成成分にはそれぞれ特異性がある. 最近『自己炎症性疾患』の原因の一部がNLRのアミノ酸の違いによることが報告された.例えばNod 2のアミノ酸変異がクローン病のかかりやすさに関係すること,ブラウ症候群や若年性サルコイドー シスの原因であること,cryopyrinのアミノ酸変異が家族性寒冷葦麻疹/乳幼児慢性神経皮膚関節症 /マックルーウェルズ症候群の原因であること,cryopyrinとASCとの結合に競合的に作用するpyrin の変異が家族性地中海熱の原因になることなどである.本総説では特にNLRを中心にしたシグナル 伝達経路に焦点を当て,NLRの機能と「自己炎症性疾患」とのかかわりについて議論したい.
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© 2008 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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