小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
小児特発性炎症性筋症の筋力評価指標 Childhood Myositis Assessment Scale 日本語翻訳版の作成と言語的妥当性の検証
川邊 智宏岸 崇之安達 みちる針谷 正祥宮前 多佳子
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2020 年 11 巻 1 号 p. 9-16

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抄録

【背景】Childhood Myositis Assessment Scale(CMAS)は身体機能と持久力に重点を置いた小児特 発性炎症性筋症の筋力評価指標であり,急性期も含め,治療が奏功して筋力が回復する過程の筋 力変化を捉えることが可能である.欧米では日常診療に普及している指標であるが,本邦の医療 者への認知度は低い.日本語版がないことがその要因のひとつと考えられる. 【目的】CMASを日本語に翻訳して,その言語的妥当性を検証する. 【方法】英語から日本語への翻訳は本研究チームで行った.翻訳版を用いて,CMASを認知してい ない医療者5名が検者となり,検者の指示の下に行った被検者の動作が妥当であるかを判定した. 次に,各得点基準の演技動作に対して,検者が適切な得点化ができるか,得点基準の妥当性を判 定した.いずれの判定も,米国の小児リウマチ診療で実際にCMASの評価経験のある医師が行った. 【結果】ほぼ全ての項目で被検者は正しい動作を行い,検者が各得点の演技動作に与えた得点は正 確であった. 【結語】今回作成した日本語版CMASは言語的に妥当であり,原語版と同等の評価が可能であった.

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© 2020 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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