抄録
【目的】稀少疾患である小児期発症リウマチ性疾患は,一施設で経験できる症例数が限られ,将来
の診断・治療・研究のため,全国疫学調査を日本小児リウマチ学会主導で行うことが必要である
と考えた.
【方法】本研究は通常診療によって得られる情報を集積する後向き観察研究であり,介入や侵襲は
ない.対象疾患は小児期発症の,若年性特発性関節炎・全身性エリテマトーデス・若年性皮膚筋炎・
シェーグレン症候群・混合性結合組織病・全身性強皮症などである.データベース(PRICURE
ver.2)はAmazon Web Servicesサーバー上に構築されており,一般的なWebブラウザーでセキュ
リティ確保されたSSL接続によりオンライン入力を行う.
【結果】2020年2月末現在で13施設より128症例が登録された.
【結語】まだまだ登録施設が限られており,症例登録数が少ない.将来の診断・治療・研究に役立
たせるためにも,参加施設を増やし,小児リウマチ性疾患者登録を継続・集積し,今後の研究に
役立たせる必要があると考えられる.