小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
全身型若年性特発性関節炎に合併するマクロファージ活性化症候群におけるAngiopoietinの調節異常
田崎 優子清水 正樹井上 なつみ石川 さやか上野 和之谷内江 昭宏
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2015 年 6 巻 1 号 p. 17-22

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抄録
Angiopoietin(Ang)1および2(以下Ang l/2)は血管内皮細胞機能の調節に重要な役割を果たして いる.今回我々は全身型若年性特発性関節炎(s-JIA)に合併したMAS病態におけるAng l/2の役割 と血管内皮細胞障害の指標としての臨床的意義について検討した.s-JIA 25例(うち10例はMASを 合併),多関節型JIA 11例,健常小児(HC)15例についてAngiopoietin 1/2の血清中濃度をELISA法 で定量し臨床像と比較検討した.MAS合併時には急性期と比較し血清Ang-1濃度は有意に減少し, Ang-2/1比は有意に増加していた. Ang-2/1比はMASを合併すると急激に上昇し,改善すると速やか に低下した,Ang-2/1比は, MASの活動性を示すLDHおよびFDP-Dダイマーと有意な相関を示した. Ang-1およびAng-2/1比はMASにおける血管内皮細胞障害の程度を反映し, MASの病勢を把握する 指標として有用であると思われた.
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© 2015 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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