小児リウマチ
Online ISSN : 2434-608X
Print ISSN : 2435-1105
TNF阻害薬治療中に乾癬様皮疹を呈した若年性特発性関節炎の1例
石川 さやか清水 正樹井上 なつみ田崎 優子上野 和之濱口 儒人谷内江 明宏
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2015 年 6 巻 1 号 p. 39-42

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抄録
症例は20歳女性.15歳時に分類不能関節炎型の若年性特発性関節炎と診断され,メトトレキサー トとエタネルセプト(ETA)の併用治療により寛解を維持していた. ETA開始3年後の19歳時に両 足底に掻痒感を伴う鱗屑性紅斑を認めた.皮膚生検では,過角化,錯角化,表皮の肥厚,表皮突起の 延長,海綿化,裂隙形成を認め,乾癬様皮疹と診断した.ETAを継続したまま,外用薬による治療を 開始したが改善に乏しく,4か月後にETAを中止し,トシリズマブ(TCZ)に変更したところ改善を 認めた.TNF阻害薬使用中に難治性の皮疹を認めた際には, TNF阻害薬の副作用としての乾癬様皮 疹の可能性を考慮する必要がある.
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© 2015 一般社団法人 日本小児リウマチ学会
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