霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: A-20
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口頭発表
ケニア、ナカリ出土のマイクロコロブス骨格
*中務 真人, 國松 豊, 仲谷 英夫, 酒井 哲弥, 沢田 順弘
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抄録
演者らはケニア国立博物館と共同で、ケニア中部ナカリ地域の古人類学的発掘調査を行っている。この化石産出層の年代は980-990万年前である。これまでナカリでは、大型類人猿ナカリピテクス、遊離歯1本しかないもののナカリピテクスとは異なる第二の大型類人猿、二種の非オナガザル小型狭鼻猿(未記載)、オナガザル科コロブス亜科マイクロコロブス、オナガザル亜科らしい歯牙化石が確認されている。2007年度の発掘では、オナガザル科霊長類の資料が充実し、始めて、歯牙化石と共伴するマイクロコロブスの部分骨格が発見された。マイクロコロブスはこれまで知られている最古のコロブス亜科のメンバーであり、ナカリ以外ではトゥゲン丘陵のンゲリンゲルワ層(およそ950-1000万年前)のみから知られている。ナカリのマイクロコロブスは現生のコロブス類が持つ派生形質を多く示す。たとえば、丸くふくらんだ上腕骨小頭、広いzona conoidea、短く太い大腿骨頸部、幅の広い距骨頭などである。こうした特徴は、マイクロコロブスが現生のコロブス類と同様に、跳躍運動に特殊化した樹上生活者であったことを示している。その一方で、この個体(大臼歯の大きさから雌と推定される)の体重は大腿骨頭のサイズから5.6 kg程度と推定され、現生のコロブス類の中では最小種並である。このことは、コロブス亜科の祖先種は比較的小型の状態で進化し、その運動適応も体重の大型化以前に発生したことを示唆する。この研究は科研費 #18255006、#19107007の補助を受けている。
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© 2008 日本霊長類学会
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