霊長類研究 Supplement
第24回日本霊長類学会大会
セッションID: A-01
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口頭発表
カニクイザルの染色体情報を伴うマイクロサテライトマーカー開発の試み
*東濃 篤徳数藤 由美子菊池 俊彦東濃 佳子柴田 宏昭寺尾 惠治
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抄録
【目的】マカクザルのマイクロサテライトマーカー(MSM)の整備が進められているが、染色体上の位置が明らかなマーカー数は未だ十分ではない。我々はカニクイザルの染色体情報を伴う新規なMSMの整備を目的として、BACライブラリーを活用してカニクイザルの全染色体をカバーする122の新規MSMを整備したので報告する。
【方法】両末端の塩基配列を決定した306のカニクイザルBACクローンについて、ヒトゲノム情報と対応させ、ヒト染色体位置を決定した。MSM候補配列を含むヒトゲノム配列に対応するアカゲザルゲノム配列を参照して、243ペアのプライマーを設計した。10頭の非血縁カニクイザル核DNAを用いて、PCRによるDNA増幅を行った結果、243のプライマーの内162(66.7%)のプライマーで増幅が確認された。これらの162のプライマーについては蛍光プライマーを作成し、GeneScanによって多型解析を行った。
【結果および考察】今回設計した243のプライマーの内、カニクイザルで多型性を確認できるMSMを増幅させ得るプライマーは122(75.3%)であった。これらのプライマーセットで検出される平均対立遺伝子数は7.06(2〜14)で、平均ヘテロ接合率は0.72(0.18–0.92)であり、平均以上のヘテロ接合率を示す比較的高い多型性を持ったMSMの割合は75個(61.5%)であった。ヒト染色体とアカゲザルの染色体との対応から、これらのMSMが存在するアカゲザル染色体を同定した結果、すべてのマカク染色体をカバーしていることが明らかとなった。今後は今回開発できたMSMが存在するBACクローンからDNAを抽出し、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)によってMSMのカニクイザル染色体上の位置を確認する予定である。
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© 2008 日本霊長類学会
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