霊長類研究 Supplement
第27回日本霊長類学会大会
セッションID: P-50
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ポスター発表
ナショナルバイオリソースプロジェクト「ニホンザル」の現状と展望
*浜井 美弥稲垣 晴久山根 到伊佐 正
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抄録
 平成14年度に発足したナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)「ニホンザル」は、今年度10年目を迎える。自然科学研究機構・生理学研究所(代表機関)と京都大学・霊長類研究所(分担機関)の協力体制のもと、第一期(~平成18年度)に安定した繁殖母群の形成、繁殖および育成体制の構築に取り組み、第二期(~平成23年度)には供給事業を開始、平成22年度までに計5回の公募(第一期実施の試行1回を含む)を実施した。原則として脳神経科学研究分野からの申請を対象に、厳正な審査を経て合計26の大学・研究機関に約200頭を提供してきた。その成果は高次脳機能に関わる病態解明と治療、BMI、再生医療など多様な医療技術開発に寄与する基礎研究、トランスレーショナルリサーチなどの分野で、学会発表、論文として公表され始めている。
 さらに、ニホンザルの適正な飼養、獣医学的管理に寄与する基礎データ蓄積にも取り組み、平成22年度には次世代シークエンサーによるニホンザルゲノムの多型解析とライブラリ構築にも着手した。また、プロジェクトの意義を一般に広く周知するための広報活動として、ホームページ運営、公開シンポジウム開催を実施するほか、研究者コミュニティの意見交換の場として、メーリングリスト、実験動物使用者会議、ユーザーシンポジウムなどを運営し、霊長類の実験使用をめぐる国内外の状況、実験動物福祉に関する最新情報を発信するニュースレターの発行、関連学会でのポスター展示等も行っている。
 事業の運営方針、提供申請の審査に際しては、関連諸機関から実験動物学および霊長類の生態・飼育管理の専門家、法曹関係者などで構成される委員会に加え、各分野の専門家をアドバイザーとして招聘し審議することにより決定している。供給申請に際しては、実験動物の福祉向上、実験の適正化に関連する法令、ガイドラインを遵守した飼育環境が整備されていること、実験計画が各研究機関の実験動物委員会の承認を受けていること、サル生体を取り扱う研究者全員がプロジェクト主催の講習会を受講済みであることなどを申請受け付けの条件として求めることで、公平かつ透明性の高い運営と研究者のコンプライアンス意識の向上を目指している。
 本発表では昨年度までの活動内容を総括するとともに、来年度開始予定の第三期NBRPへの展望について報告する。
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© 2011 日本霊長類学会
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