霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-56
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ポスター発表
島根県飯南町で捕獲されたイノシシの年齢と特徴
*菅野 泰弘*竹下 幸広*金森 弘樹*澤田 誠吾
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抄録
 2008~ 2012年度に島根県飯南町猟友会に依頼して,個体数調整または狩猟によって捕獲されたイノシシの頭部を収集した.そして,下顎部の歯から萌出交換法によって年齢を推定した.また,捕獲者から捕獲個体の性別,捕獲方法などを聞き取り,飯南町におけるイノシシの捕獲実態を分析した.捕獲個体の年齢は 0~ 9歳であった.各年度の平均年齢は 0.6~ 1.7歳(平均 1.3歳)であり,0~ 1歳の若齢個体が 2008年度39%, 2009年度39%, 2010年度86%, 2011年度50%, 2012年度 72%を占め,捕獲個体の若齢化が伺えた.箱わなでは,成獣または幼獣単独,成+幼獣,成獣複数,幼獣複数が捕獲され,いずれの年度も単独個体の捕獲が 54~ 100%を占めて複数個体よりも多かった.5年間の合計では,幼獣のみを捕獲した場合が 37%を占め,メス成獣+幼獣を捕獲した場合はわずか 5%であった.警戒心の弱い幼獣が入った時点で扉が落下した場合が多かったと考える.一方,くくりわなでは,成獣の捕獲が 62~ 93%と多く,体重の重い成獣が獲れ易かったといえる.箱わなは 6~ 9月の捕獲が 76%を占めて多かったが,秋季になると堅果類の落果によって捕獲しにくくなったと考える.くくりわなは 9~ 12月の捕獲が 56%を占めたが,脂肪を蓄え始めた個体を狙ったためと考える.各年度の捕獲者数は,箱わな 3~ 9人,くくりわな 5~ 8人,銃器 1~ 3人,箱わなとくくりわな 2~ 4人,くくりわなと銃器 1~ 2人であった. 1人当たりの年平均捕獲数は,箱わな 1.8~ 11.3頭,くくりわな 3.6~ 8.9頭,銃器 1.0~ 4.5頭,また 1人当たりの年最大捕獲数は箱わな 4~ 21頭,くくりわな 17~ 47頭,銃器 1~ 11頭と差が大きかった.なお,毎年度捕獲の多い 3人が総捕獲数の 49~ 76%を捕獲していた.
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© 2013 日本霊長類学会
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