霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-171
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ポスター発表
飼育下ボルネオオランウータンの加齢に伴う生殖内分泌動態
*平井 仁智*石黒 龍司*島原 直樹*岡田 彩*清水 慶子
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抄録
 オランウータンは,東南アジアのボルネオ島とスマトラ島のみに生息する樹上性の大型類人猿である.生息している島によって,ボルネオオランウータン Pongo pygmaeusとスマトラオランウータン Pongo abeliiの 2種に分けられる.雌の寿命は,53歳以上で,霊長類の中では最長の 6.1~ 9.3年間隔で子どもを出産し,母親が単独で子を育てることが報告されている.このことが主要因となり,個体数の減少が始まると歯止めをかけるのが難しい.野生下では 50歳での出産報告があるにも関わらず,飼育下では,40歳を過ぎると年老いた個体とされているため繁殖に用いられない.この理由の一つとして,いつ繁殖不可となるのかの基礎データがないことがある.また,本種においては妊娠した個体や若い個体を対象とした生殖生理学的研究はあるが,老齢個体を対象とした研究はほとんどない.
 現在,日本国内においてボルネオオランウータンは 12園館で 34頭( ♂ 19頭, ♀ 15頭),スマトラオランウータンは 5園館で 11頭( ♂ 5頭, ♀ 6頭)が飼育されているが,本研究では飼育個体数が多いボルネオオランウータンを研究対象とし,2012年 8月~ 9月に多摩動物公園にて,雌ボルネオオランウータン 4個体(推定 57歳,47歳,推定 42歳,39歳)を対象として糞尿の採取をおこなった.酵素免疫測定法により,糞尿中性ホルモン代謝産物を測定し,年齢不明の個体の生殖状況の推定が可能になり繁殖計画の基礎データとなることを目的として,加齢に伴い変化する生殖内分泌動態について考察をおこなったので報告する.
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© 2013 日本霊長類学会
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