霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: P-176
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ポスター発表
山口県に生息するニホンジカの血液性状による栄養状態の推定
*野口 裕美子, *細井 栄嗣, *田戸 裕之
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抄録
 有蹄類の個体群動態の予測において,繁殖率や死亡率などに影響を及ぼす栄養状態の把握は非常に重要であり,個体群の栄養状態を知ることで,その個体群が生息する環境の質を知ることができる.その指標としては脂肪の蓄積が主に用いられる.餌資源が不足したとき,脂肪の動員は皮下脂肪,腹腔内脂肪,骨髄内脂肪の順に起こることから,腎周囲脂肪指数(以下RKFI),大腿骨骨髄内脂肪指数(以下FMFI)が利用される.これらの指標は捕殺することで栄養状態が判断できる指標で精度も高いが,捕殺することのできない個体群では利用できない.
 それに対して,血液などの生化学的分析によって算出された指標は捕殺することなく栄養状態を判断することが可能であると考えられる.そして,脂肪蓄積量を利用した指標と同様,信頼に足るものとして約束されてきた.しかしながら,これらの手法による栄養状態の判断は飼育下の個体の制限した条件下での実験で精度を実証しているものがほとんどである.そのため,野生下の個体の栄養状態を推定する際に利用した時の有効性の範囲が不明瞭である.
 そこで本研究では,野生個体群である山口県西部に生息するニホンジカ Cervus nipponの雌の成獣において,血清成分を利用することで,栄養状態をどの程度まで判断することが可能か,血清成分の指標の有効性の範囲の検討を目的とした.本大会では,血清成分である総タンパク,アルブミン, A/G比,遊離脂肪酸,ケトン体,尿素態タンパクと,体重,RKFI, FMFIとの関係を解析した結果を報告する.
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© 2013 日本霊長類学会
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