霊長類研究 Supplement
第29回日本霊長類学会・日本哺乳類学会2013年度合同大会
セッションID: MS-6
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ミニシンポジウム
サンプリングデザインとデータ解析~多変量解析の応用可能性
*清田 雅史*保尊 脩
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抄録
 【企画趣旨】
 多変量解析は,多数の要因間の複雑な関係を解き明かし,要約してくれる統計ツールである.主成分分析,クラスター分析,判別分析,対応分析など新旧様々な方法があり,各々どんな用途に使用され,出力結果が何を表すか理解しにくい面もある.そこで本ミニシンポでは,異なる研究分野の具体例を挙げながら,『何を目的として,どのようなデータを使い,何ができて,何ができないか』紹介してもらい,多変量解析を用いたフィールド研究の展開可能性について,初心者の視点から一緒に考えたい.来場者からのコメントやアドバイスも歓迎する.

【演題1】形態学への応用:アロメトリーを用いたジュゴン頭骨の多変量解析
  保尊 脩(水研セ国際水研,国立科学博物館),金治 佑(水研セ国際水研)
 多変量解析を使って形態の差異を解析するにあたり,誤った結果の解釈を避けるために,個体間の成長段階や計測値間のスケールの差を考慮することが重要である.そこで,これらを解決する一つの方法として,アロメトリー回帰直線より得られた残差を用いて行う正準判別分析を紹介する.

【演題2】群集生態学への応用:多変量解析で生物群集パターンとその決定機構を探る
  奥田武弘(水研セ国際水研)
 多変量解析によって,群集構造の時空間分布パターンと,そのパターンの決定に関与する環境要因の影響を調べることができる.しかし,データ構造と解析の目的に応じて,適切な手法を選ぶ必要があるのが統計解析の常であり,多変量解析も例外ではない.本発表では,多変量解析手法を使って「できること」・「できないこと」を,海岸生物群集データを例にして紹介する.

【演題3】採食生態学への応用:アソシエーソン分析を用いたイリオモテヤマネコの食性解析
  中西 希(琉球大学理工学研究科)
 イリオモテヤマネコは,哺乳類から昆虫類まで様々な動物を捕食していることがその生態の大きな特徴である.近い時間帯に連続して食べられたと考えられるイリオモテヤマネコの 1個の糞に含まれる餌動物種の関連性に注目し,アソシエーション分析を用いて解析した結果を紹介する.

【演題4】獣害対策への応用:被害防除のための因果関係推定
  本田 剛(山梨県総合農業技術センター)
 イノシシやシカ,サルによる農作物被害対策として,集落を単位とした高コストな獣害軽減柵が広く利用されているが,この柵は必ずしも十分な効果を発揮しない.何故効果が得られないのかに着目し,直接的な要因と遠因を区別できるパス解析を用いた例を紹介する.
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© 2013 日本霊長類学会
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