霊長類研究 Supplement
第30回日本霊長類学会大会
セッションID: P4
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ポスター発表
チンパンジー分岐神経の解析
*時田 幸之輔
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抄録
腹壁から下肢への移行領域に着目し,ヒト及びニホンザルにて腰神経叢と下部肋間神経の観察を行ってきた.その結果,下肢へ分布する神経(腰神経叢)の起始分節(構成分節)が尾側へずれる変異が存在するが明らかになった(2012, 2011, 2010, 2009, 2008).同様な形態的特徴がチンパンジーにおいても存在するか否かを明らかにすることを目的にチンパンジーの体幹と下肢帯の境界領域における脊髄神経前枝(下部肋間神経,腰仙骨神経叢)の観察を行った.
腰神経叢と仙骨神経叢の境界に位置する分岐神経(仙骨神経叢の上限)を起始分節はL3であった.詳細に観察すると,L3から仙骨神経叢へ参加する成分が少ない群(L3少群)とそうでない群(L3並群)とに分けることができた.L3少群の方がL3並群に比較して,仙骨神経叢の起始分節は,1分節以内の違いであるが,やや低いと言える.
胴体に特徴的な神経である標準的な肋間神経前皮枝(Rcap)のうち最下端のRcapの起始分節は,L3少群でTh12+L1,L3並群はTh13と,L3少群の方がやや低かった.
以上より,胴体(胸部)に特徴的な神経であるRcap,Rclの起始分節の起始分節が尾側へずれると,分岐神経を中心とした下肢への神経も尾側へずれると言える.これらの変異は胴体の延長に関連した変異であると考えたい.
本研究は京都大学霊長類研究所共同利用研究として実施された.
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© 2014 日本霊長類学会
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