霊長類研究 Supplement
第32回日本霊長類学会大会
セッションID: W1
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自由集会
ニホンザルにおける社会構造の個体群間変異と社会性の個体間変異:その遺伝的背景を探る
中川 尚史村山 美穂
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抄録

日時:2016年7月15日(金)12:30-14:45

場所:理学部1号館101講義室


霊長類の社会的形質に関しては、これまで近縁種間の変異が注目され、それが生息環境への適応で生じるのか系統的慣性で決まるのか、盛んに議論されてきた。一方、日本霊長類学の黎明期に、他個体に対する寛容性の点でニホンザル餌付け個体群間に大きな変異があることが指摘されていた。本自由集会は、ニホンザルの示す寛容性が、その属するマカカ属の種間変異に匹敵するほどの可塑性を持つことを明らかにし、その個体群間変異と性格関連遺伝子の個体群間変異の分布を比較することを通じて、寛容性の遺伝的背景の有無を明らかにすることを目的とする。さらに、その発展型として性格関連遺伝子の1個体群内の個体間変異に着目し、個体の遺伝子型と社会行動の関連性をみることを試みた。


話題提供

1. ニホンザルの社会構造の個体群間変異(仮題) 中川尚史(京大・理)

2. 餌付け群における寛容性の個体群間変異:給餌実験と協力行動実験から(仮題) 山田一憲(阪大・人間科学)

3. 性格関連遺伝子の個体群間変異と群れの寛容性との関連(仮題) 村山美穂(京大・野生動物)

4. 性格関連遺伝子の個体間変異と社会性の関連(仮題) 大西賢治(東大・総合文化,日本学術振興会)


責任者:中川尚史(京都大学大学院理学研究科)、村山美穂(京都大学野生動物研究センター)

連絡先:nakagawa@jinrui.zool.kyoto-u.ac.jp

共催:日本学術振興会科研費基盤研究B(代表:中川尚史)、文部科学省科研費新学術領域研究「共感性の進化・神経基盤」(代表:長谷川寿一)

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© 2016 日本霊長類学会
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