霊長類研究 Supplement
第32回日本霊長類学会大会
セッションID: W3
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自由集会
遊びの霊長類学の展望
島田 将喜
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抄録

日時:2016年7月15日(金)15:00-17:00

場所:理学部1号館101講義室


遊びはエソロジーの研究史上、その最初期から関心がもたれ、社会生物学的にも重要な研究課題とされてきた。また遊びは学際的研究テーマであり、心理学的研究などとも親和性が高いはずであるが、実験的コントロール、遊びの定義、仮説検証等の難しさが障害となるためか、これまで専門家による研究対象としては敬遠されてきた感がある。

しかし、たとえばカレントバイオロジー誌2015年1月号において「楽しみfunの生物学」という特集が組まれ、遊び行動の至近要因としての楽しいという感情の神経学的基盤を明らかにしようとする学際的研究の進捗が紹介されたように、近年、遊びは研究対象として注目を集めつつあるようだ。

本企画では、近接諸分野における遊びの研究の進展についてレビューをし(島田将喜)、霊長類学の各分野で活躍する研究者に、遊びを対象とした研究の取り組みや、対象とすると面白いと考えられる遊びの諸側面について話題提供をしていただく(チンパンジー:中村美知夫、ニホンザル:大西賢治)。また霊長類以外の哺乳類で遊びが多く観察される代表的動物としてのイヌの遊び行動についての最近の研究の進展について知見を整理する(薮田慎司)。そのうえで霊長類の遊びを研究対象とする際に考慮すべき困難、論点について情報を共有し、遊びの研究をいかに生産的なものとしてゆくかについて自由討論を行う。

「遊びはテーマとして面白そうだが、科学的研究ができるのかどうかわからない」と二の足を踏んでいる若手研究者の積極的な参加を促したい。


責任者:島田将喜(帝京科学大学アニマルサイエンス学科)

連絡先:masakishimada@japan.email.ne.jp

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