日時:2016年7月15日(金)14:55-17:10
場所:理学部1号館大会議室
房総半島では輸入され放逐されたアカゲザルが野生化し、ニホンザルとの交雑が問題となってきた。半島南端に定着したアカゲザルの群れでは交雑が進行し、外来種個体群としてアカゲザル遺伝子の供給源となっている。半島中央部のニホンザル個体群でもニホンザルのメスが交雑個体を出産するという事態となっている。アカゲザルはニホンザルに最も近縁な種であり、和歌山県や青森県で発生したタイワンザルの例とくらべて、交雑の進んだ個体を形態や遺伝子で判定することが難しくなっている。
日本霊長類学会(以下「学会」)の保全・福祉委員会は、これまでも2012年度大会(椙山女学園大学)、2013年度大会(岡山理科大学)の自由集会でニホンザルと外来マカクの交雑問題を取り上げてきた。また対策に向けて、2006年度と2012年度に環境省および千葉県へ学会要望書を提出してきた。
アカゲザル個体群およびニホンザル個体群について、千葉県は2005年度から交雑対策を継続している。国は交雑対策を進めやすくするために、2005年度に施行した外来生物法を2013年度に改正し、タイワンザルとニホンザルの交雑種、アカゲザルとニホンザルの交雑種も特定外来生物に指定した。また、千葉県を支援するためこれまで3年におよぶ事業を実施し、現在交雑対策の考え方と交雑判定手法についてまとめを行っている。
さらに、房総半島には国の天然記念物「高宕山サル生息地」があり、近年その地域のサルでも交雑が確認され、対策が必要になっている。
今回の自由集会では、関係者に房総半島のアカゲザル交雑の現状と課題を整理して話題提供いただき、今後の対策の在り方につき討論したい。
1.交雑問題の概説
2.行政の対応
3.交雑モニタリングの現状と課題
4.天然記念物「高宕山サル生息地」における問題点
5.総合討論(課題と対応)
責任者:日本霊長類学会保全・福祉委員会 川本芳(京都大学霊長類研究所)、白井啓(野生動物保護管理事務所)
連絡先:shirai@wmo.co.jp