霊長類研究 Supplement
第32回日本霊長類学会大会
セッションID: P37
会議情報

ポスター発表
学校で霊長類を学ぶ~動物園の学習利用状況調査と事前学習教材の開発~
赤見 理恵高野 智江藤 彩子小比賀 正規
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

霊長類を取り巻く現状を人々に伝え研究や保全への理解を得るために、毎年多くの来園者が訪れる動物園は大きな可能性を秘めている。特に学校団体においては学習指導要領で「博物館や科学学習センターなどと連携、協力を図りながら、それらを積極的に活用するよう配慮すること」と明記され、社会教育施設との連携が推奨されている。しかし先進的な博学連携事例はあるものの数は限られ、多くの学校は「ただ見学するだけ」というのが現状である。そこで本研究では、学校教員へのアンケート調査により事前事後学習も含めた学習利用状況を調査するとともに、日本モンキーセンターで積み重ねてきた博学連携事例と学習プログラム提供実績を活かし、学校貸出し用事前学習教材の開発に取り組んだ。学校教員へのアンケートは日本モンキーセンターで学習した学校団体の教員を対象に実施した。多くの学校が事前学習の時間を多少なりともとっているが、その内容は当日のスケジュールや注意点などが多く、霊長類について学ぶための事前学習教材への要望が聞かれた。そこで開発した教材の1つは「比べてみよう!サルとキミ」と題し、観察の視点を提供し、来園への期待を高めることを目的とした。教材は、指導案、数種の動物の手型カード(8セット)、3種の霊長類の実物大手型、3種の霊長類の実物大タペストリー、観察の視点や園内でのルールをまとめた紙芝居から成り、手型を見ることで共通性を、大きさを見ることで多様性を実感できる内容とした。昨年度2校の小学校に利用してもらい、教員からの評価や子どもたちの反応をうけ評価改善をおこなった。本教材利用による効果として、①来園への期待が高まること、②学芸員によるレクチャーにおいて発展的な内容を扱えること、③教員の指導的役割が高まることで教員の主体性が増すこと、などが示唆された。今後は開発した教材を運用していくとともに、教科教育や保全教育に役立つ教材開発にも取り組んでいきたい。

著者関連情報
© 2016 日本霊長類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top