霊長類研究 Supplement
第33回日本霊長類学会大会
セッションID: A02
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口頭発表
Sense of Number: 数の相対的大小判断の種間比較
*友永 雅己熊崎 清則原口 大貴櫻井 夏子WILKINSON AnnaGONSETH Chloe松沢 哲郎
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抄録

数という物理的次元は,動物たちが環境から得る情報として極めて重要である。数に関する情報は,採食や社会的な場面における意思決定に重要な役割を果たしているはずだ。これまでの数多くの研究から多くの種が数を手がかりに弁別行動を行うこと,そしてそれは,他の量的次元(大きさ・密度など)と同様にウェーバーの法則にしたがうことなどが明らかになってきた。本発表では,異なる課題状況(コンピュータ課題,対面課題),異なるモダリティのもとでわれわれが行ってきた研究を総括する。対象とした種は,チンパンジー,ウマ,イルカ,リクガメである。結果を概括すると,(1)すべての種において,比較すべき2つの数の比(ウェーバー比)で結果を説明しうること,(2)全体の数が大きいほど成績がよいこと,(3)コンピュータ課題の方が対面課題よりも成績が良いこと,などが明らかとなった。イルカでは,エコロケーションによる大小判断が可能であること,リクガメにおいても数の大小判断が可能であることが初めて示された。これらの種間比較を通して,数の大小比較能力の進化について議論したい。

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© 2017 日本霊長類学会
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