霊長類研究 Supplement
第34回日本霊長類学会大会
セッションID: HP07
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高校生ポスター発表
オランウータンとチンパンジーの玩具利用行動の比較
*沼田 一心伊藤 太郎田村 祐也黒田 峻平
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抄録

現在,生息地である熱帯雨林の急速な消失によって,ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)は,個体数が減少し,絶滅の危機にさらされている。そこで,生息地であるマレーシアでは,野生のオランウータンの孤児等を保護し,野生復帰を支援する取り組みが行われていて,1000頭近くの個体が保護されている。しかし,野生復帰は現状として滞っており,多くの個体が依然として保護施設で管理されたままでいる(久世 2014)。そこで,管理下におけるオランウータンの行動特性を解明することで,保護施設における環境エンリッチメントに貢献できると考えた。多摩動物公園において2017年に行った予備調査では,オランウータンとチンパンジー(Pan troglodytes)の行動を,「採食」「移動」「休息」「遊び」「その他」に分類して,それぞれの行動をした時間を計測した。さらに,「遊び」の中の「玩具利用」に着目し,オランウータンとチンパンジーそれぞれのオトナとコドモの玩具利用の時間の割合を求めた。その結果,観察時間全体を1とすると,オランウータンが玩具を利用したのは0.45,チンパンジーについては0.1という結果になった。しかし,過去に行った研究は,オランウータン,チンパンジーともに総観察時間が短く,データとして不十分なものであった。そこで本研究では,再び「玩具利用をした時間」を調べ,オランウータンとチンパンジーの比較を行う。また,仮説として「オランウータンはチンパンジーより玩具で遊ぶ時間が長い」を立て,それを検証するために上記のようにオランウータンとチンパンジーの行動を分類し,1分間ごとに記録する。調査は,東京動物園協会の多摩動物公園において4/30~6/24まで計8回,9:45~16:45まで行う予定である。調査対象は,オランウータンのオトナ3頭,コドモ3頭の計6頭と,チンパンジーのオトナ2頭,コドモ1頭の計3頭とする。また,オランウータンに適した環境エンリッチメントについて,チンパンジーとの比較を通して考察を行う予定である。

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© 2018 日本霊長類学会
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