霊長類研究 Supplement
第76回日本人類学会大会・第38回日本霊長類学会大会連合大会
会議情報

人類学関連学会5学会合同公開シンポジウム
〇〇なヒトーヒトの呼称も人それぞれ
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抄録

日時 2022年9月19日(月・祝) 14:00〜17:00

会場 京都産業会館ホール北室(A会場)・同時オンライン配信

 これまでも多くの知識人がヒト(ホモ・サピエンス:賢いヒト)の特質に着目したヒトの呼称を提唱してきました。ホモ・ロクエンス(話すヒト)、ホモ・ファーベル(工夫するヒト)、ホモ・ルーデンス(遊ぶヒト)、ホモ・ソシアビリス(社交するヒト)、ホモ・モビリタス(移動するヒト)などなどです。新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、われわれヒトの生活様式を一変させ、ヒトの根源的ともいえる特質を揺るがすにいたりました。唯一言語を操り、移動能力が著しく高く、自集団以外の他個体にも寛容で、一緒に集まることができるヒトという動物種が、移動すること、集まること、対話することの制限、禁止を余儀なくされたわけです。新型コロナの流行以前に、世界を席巻したと言えるのがイスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史-文明の構造と人類の幸福』です。本著作に象徴されるように、人類学には総合的な視点と知識が必要とされます。令和4年度日本霊長類学会と日本人類学会は、両学会共通の課題である「人類の起源とその進化」について改めて議論を深めるべく21年ぶりに連合大会を開催します。さらに、人類学および関連学問分野の発展を図ることを目的として発足した人類学関連学会協議会が毎年行っている合同シンポジウムの世話人が日本霊長類学会に当たります。

 この千載一遇の機会を利用して、協議会参加団体である日本文化人類学会、日本民俗学会、日本生理人類学会にも協力を仰ぎ、コロナ禍で揺らいでいる特質を含めヒトの特質について総合的な視点から議論することを目的とした公開シンポジウムを開催することにしました。各学会の演者の先生方にはそれぞれの立場でヒトの代表的特質だと思われる呼称を演題として、講演していただきます。

講演プログラム

真野俊和(日本民俗学会:筑波大学大学院歴史人類学研究科)

『“民俗”に生かされるヒト、“民俗”を生かすヒト:土着と前衛』

金子守恵(日本文化人類学会:京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)

『モノを作るヒト』

中川尚史(日本霊長類学会:京都大学大学院理学研究科)

『寛容なヒト』

前田享史(日本生理人類学会:九州大学大学院芸術工学研究院)

『適応するヒト』

海部陽介(日本人類学会:東京大学総合研究博物館)

『移動するヒト』

実施団体 日本人類学会・日本霊長類学会連合大会実行委員会

後援 京都大学大学院理学研究科、京都市教育委員会、京都府教育委員会

© 2022 日本霊長類学会
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