霊長類研究 Supplement
第41回日本霊長類学会大会
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ポスター発表
ヒト・類人猿iPS細胞を用いた上肢/下肢特異性を有する肢芽間充織様細胞の誘導
濱嵜 裕介堤璃水今村 公紀
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 102

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抄録
霊長類における四肢のプロポーションは, 各種の運動様式と密接に関連しており、その適応進化を反映する形態的特徴のひとつである。なかでもヒトは, 直立二足歩行の獲得に伴い, 長い下肢と短い上肢からなる独自の四肢プロポーションを進化させてきた。一方、ヒトに近縁な現生類人猿は, 樹上生活や懸垂運動に適応した結果として共通して長い上肢を有している。これらの四肢プロポーション進化をもたらしたゲノム基盤として、発生過程において上肢もしくは下肢特異的な遺伝子発現変化を介して骨伸長を制御するような遺伝子発現制御機構が存在していると推測されるが, その実体は不明である。これに対して, 発表者はヒト・類人猿iPS細胞を用いて四肢発生過程を試験管内で模倣することで, 種固有の四肢プロポーションを規定するゲノム基盤解析を可能とする実験系の確立を目指した。これまでに発表者は, テナガザルiPS細胞を用いた四肢系譜への分化誘導に成功していたが, 誘導した細胞が上肢あるいは下肢のどちらの性質を有しているかは不明であった。そこで本研究では分化誘導法の改良に取り組み, 上肢・下肢特異的な遺伝子発現を有する肢芽間充織様細胞を誘導する方法論の構築を行った。本発表では, 構築した四肢分化誘導法について報告するとともに、今後、この誘導系を用いてヒト・類人猿固有の四肢プロポーションをもたらしたゲノム基盤解析を進める計画についても紹介したい。
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