抄録
今世紀半ばには高い確率で南海地震津波の発生が指摘されている. 瀬戸内海に進入する津波の高さは大きくないが, 水粒子速度や移動距離を考えれば, 決して津波に対して安全な海域ではない. この瀬戸内海の津波危険度を評価するために, まず, 津波の進入路となる紀伊水道と豊後水道への津波の進入特性を波向線追跡法で検討し, さらに, 水道内の津波の応答特性を周期応答特性から検討した. その結果, 両水道入口付近の海底谷や大陸棚と波源との位置関係によって両水道への津波伝播特性が影響を受けること, 紀伊水道と豊後水道はともに, 50分と22-25分という特定の共振周期をもっていること, 紀伊水道は入射波の周期にかかわらず増幅しやすいことを示した.