2003 年 50 巻 p. 1301-1305
本研究では感性工学と経済学的評価手法さらにCGを用いて, 利用者の海岸景観に対する評価構造, 心理的尺度と経済的評価との関係について検討した. 主な結果としてCGと写真を用いた景観評価においては両者に有意な差がみられず, CG画像で景観評価が可能であることが確認された. さらに, コンジョイント分析を用いた経済評価の結果, 海岸景観を構成する属性の評価ウェイトは護岸整備を1.0とすると, 前浜の造成は2.45, 緑地造成は1.81となり, 前浜の造成の評価が最も高かった. また、主成分因子得点と支払い意志額の間には明確な線形関係が認められ, 景観評価が経済的評価にもなりうることが分かった.