日本健康医学会雑誌
Online ISSN : 2423-9828
Print ISSN : 1343-0025
住民の健康づくりと生活の質との関連に関する研究(<特集>第4回日本健康医学会総会)
桂 敏樹野尻 雅美中野 正孝
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 4 巻 1 号 p. 38-44

詳細
抄録

中高年の生活の質を向上し健やかな老いを実現するために住民を対象に健康習慣(睡眠時間、労働時間、朝食、間食、塩分、栄養のバランス、運動、飲酒、喫煙)と生活満足感との関連性を検討した。多変量解析の結果、生活満足感と関連が認められた健康習慣は栄養のバランス、睡眠時間、運動、塩分であった。栄養のバランスが良い者や運動をしている者は生活満足感が高くなり、睡眠時間の少ない者は低くなる傾向を示した。性別にみると男で生活満足感と関連が認められた健康習慣は栄養のバランス、運動であった。栄養のバランスが良い者は生活満足感が高くなり、栄養のバランスが悪い者は低くなった。一方、女で生活満足感と関連が認められた健康習慣は栄養のバランス、睡眠時間、塩分、喫煙、運動であった。栄養のバランスが良い者や運動をしている者だけでなく喫煙や過度の飲酒をしている者で生活満足感が高くなり、睡眠時間の少ない者は低くなった。また、ライフスタイルの良い者は生活満足感が高いことが明らかになり、健康的なライフスタイルが生活の質を高め健やかな老いを寄与することが示唆された。

著者関連情報
© 1995 日本健康医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top