海岸工学論文集
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東海・東南海・南海地震の発生特性による広域津波の変化
河田 恵昭鈴木 進吾高橋 智幸
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2003 年 50 巻 p. 326-330

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抄録

我が国の太平洋岸南西部では東海・東南海・南海地震による津波防災対策が進められている. しかし, 歴史的にはこれらの地震が同時に発生した例もあり, 次の地震も同時あるいは連続的に発生する可能性がある. この場合, 複数の波源からの津波が同時に沿岸に到達し津波高が単独発生時より増幅されると考えられるが, その最悪のシナリオは明らかになっていない. 本研究では, 重ね合わせの原理を用いて地域に到達する津波に及ぼす地震発生シナリオの影響を評価した. その結果, 同時または連続的に発生した場合, 地域に到達する津波高が最大1-2m, ところによっては2m以上増大することが分かった. また最も危険となる地震発生のシナリオが求められた.

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© 社団法人 土木学会
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