抄録
複雑な構造を持つ防潮林模型を用いた水理実験により, 津波に対する防潮林の抵抗特性として, 水深変化に伴う体積占有率の変化に比例する抗力係数モデルを示した. また, 現地調査等から実際の樹林密度と胸高直径の相関を示し, この防潮林条件に基づいた防潮林の抵抗を考慮した数値計算により, 防潮林の津波減衰効果を定量的に評価したところ, 防潮林幅により減衰効果が大きく異なることがわかり, この数値計算結果を整理して減衰効果の程度を三段階に分けた防潮林効果の簡易判定表を示すことができた. さらに, 文献調査により, 防潮林の被害を軽減させる4つの機能・効果を整理し, 減災のための防潮林の利用可能性について検討を行った.