2004 年 51 巻 p. 1341-1345
海岸生態系に配慮した海岸事業を進めるために, 保全が問題となっている希少生物に関し, その生活史と生息地の保全, および地域自然のシンボルの面から取り上げ, 希少生物の生息場の保全と海岸事業の関係について検討した.また注目すべき種や群集の選定時の基本的考え方を整理した.過去の研究成果を実際の海岸事業に活用可能とするための具体的検討を行い, 事業の計画・施設設計・施工・管理段階において行うべき処置を明らかにした.代表生物種には, ウミガメ, カブトガニ, コアジサシ, 海浜植生を選定し, それぞれの生態を考慮した配慮方法を明らかにした.またこれら生物種相互の関係についても考察した.