長周期波の発生・発達機構の解明のための手掛かりを得ることを目的として, 長周期波高と通常波浪の波浪諸元 (波高, 周期) との相関関係を吟味し, 両者の時空間変動特性を調べた. 長周期波高を通常波浪の波高, 周期を用いて近似したときの比例係数は, 長周期波高が高いときに大きい. また, 長周期波高が高い場合には, 長周期波の中でも, 比較的周期の長い成分の割合が大きい. これらの特性は, 時間的, 空間的にある程度の広がりを持つものである. 但し, 個々の地点を詳細に見た場合には, 特に長周期波高が高い場合に, 観測地点の局地的な特性を反映した長周期波成分が重要になる.