海岸工学論文集
Online ISSN : 1884-8222
Print ISSN : 0916-7897
ISSN-L : 0916-7897
堆積物分布からみた日野川・皆生海岸流砂系における過去400年間の環境変遷
井上 卓彦米田 明徳原口 強五十嵐 厚夫井内 美郎
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 51 巻 p. 586-590

詳細
抄録

鳥取県皆生海岸では, 離岸堤群が完成するまで海岸線の後退が続いた.長期的に海岸を保全するには, 海岸の土砂動態と長期的な変遷過程を解明する必要がある.そのために, 日野川流域および皆生海岸で表層堆積物を採取し, また現在の侵食域と堆積域それぞれの沿岸海域でジオスライサーを用いて柱状試料を採取し, 粒度分析・鉱物組成分析・花粉分析と放射年代測定 (炭素-14と鉛-210) を組み合わせ, 日野川・皆生海岸流砂系の過去約400年間の環境変遷を推定した.侵食域では17世紀から「かんな流し」による急激な海岸線の前進があり, 20世紀初めのかんな流し終了に伴ない海岸侵食が始まった.堆積域では砂州の前進に起因する堆積速度の増大が認められた.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top