2005 年 52 巻 p. 156-160
本研究では, 歴史資料を含む年最大値資料にあてはめる2母数分布 (Gumbel分布, 形状母数固定型GEV分布, 形状母数固定型Weibull分布) の母数, すなわち再現確率統計量の推定に対するPPWM法の精度と再現確率統計量の分散の推定に対するjackknife法の精度を広範なモンテカルロシミュレーションに基づいて検討したのち, 最適分布の選択を相関係数最大基準による極値統計解析モデルを現地資料の解析に適用した. 歴史資料の導入は, 再現確率統計量のbiasの増減にあまり寄与しないが, 正側に裾を引く分布形状の場合ほど, 分散に関して有意な大きさの減少をもたらすこと, および歴史資料を含む現地資料の解析事例は上記の結果を裏づけることがわかった.