抄録
近年, 閉鎖性水域における底層水の貧酸素化を改善する手段として, マイクロバブル発生装置による水質改善技術が注目されている.しかし, 従来行われてきたノズルを直接水面下に下ろす稼動方式では, 気泡の存在による湧昇流が励起されることで, 底層貧酸素水の改善範囲は限られたものとなってしまうことが指摘されていた.そこで本研究では, 気泡を除去した形で高酸素水のみを底層に供給できる稼動方式を採用し, その特性を把握するための現地実験および再現計算を行った.その結果, 気泡を除去することで溶存酸素を水平方向の広い範囲に供給できることが分かり, 本装置の基本特性が把握できた.また, 現地への適用性の検討も可能となった.
