抄録
台風などの大雨の際に, 土砂災害等が原因で大量の流木群が発生し, 河川を経由して海岸に漂着するといった災害が増加している. この被害としては地方自治体の財政圧迫, 港湾施設の機能低下, 船舶の破壊, 漁場や養殖場への悪影響などがあり, 早急な対策が望まれているが, システム的な対応がとられていないため, 現状況では全体的な被害状況さえ把握することが困難である. そこで本研究では, 台風0421号により伊勢湾に大量の流木群が漂着した問題を取り上げ, まずは現地調査により全体的な被害状況の把握を行なった. そして, その結果を基に数値計算による流木群の挙動再現を行ない, 数値実験により流木群の漂着要因を明らかにした.