抄録
本研究では, 漁船に標準装備される魚群探知機とGPSの水深・位置情報をデータベースに蓄積し, 海底地形情報を整備するシステムを提案した. 魚群探知機は気泡などの影響を受け測定水深が不良となることが知られており, 蓄積したデータの良否をいかに判定するかが課題であった. そこで本論では, 不良データを除去する手法として離散ウェーブレット変換によるノイズ除去法を検討し, あわせて, 統計的な観点から不良データを抽出する判別法も検討する. 解析例として2004年7月から2005年12月までの18ヶ月間にわたり北海道留萌市沿岸域で実施した現地実験結果の分析を行い, 検討した手法の妥当性を考察する.