抄録
沿岸波浪観測網を津波監視にも機能拡張させるため, 海底設置式波浪計より沖合での観測が可能なGPSブイの活用が検討されているが, ブイ自体の周波数応答特性のため, ブイの動揺特性を考慮した波浪観測データの処理・解析システムの構築が必要である. 本研究は, 室戸岬沖南13kmの水深100m地点に設置されたGPSブイと, 近傍の室津港沖水深27m地点の海底設置式波浪計との観測結果の比較検討を通じて, ブイ動揺特性を考慮した大水深波浪観測データ処理システムの構築をめざしたものであり, GPSブイによるデータ解析フローを提案したものである.