検潮井戸がローパスフィルターとして機能するため, 周期数分から数十分程度の津波に対しては, その周波数応答特性を把握しないと津波高を過小評価することがある. しかし, 周波数応答特性を算定する実務的手法は, 確立されていない. また, 検潮井戸の導水管は, 土砂の堆積等によって目詰まりが進むため, 定期的な清掃を行い, 副標観測によって清掃の効果を検証をする. しかし, 副標観測は, 長時間を必要とする問題がある. このため, 検潮井戸を線形2次のローパスフィルターと仮定し, 模型実験でその線形性を確認し, ステップ応答測定により, 短時間で検潮井戸の周波数応答特性を計測するシステムを開発した.