抄録
近年海藻類の調査, 研究においては定線調査とともに航空機や衛星を利用したリモートセンシング技術が活用され始めている. これらの調査には潜水者の熟練度, 調査可能範囲, 天候の影響, 高額なコストなどさまざまな問題がある. そこで近年, 音響測機の開発が進み, これを藻場調査に用いる事例が増えてきた. 本研究では既存の機器よりも高精度なマルチビームソナーを用いた調査を行い, 同時に行った藻場, 底質調査結果と対比し, 藻場現存量を把握可能なアルゴリズムを検討しソフトを開発した. 沿岸の海浜砂泥域に広く分布する海草アマモに着目し, 現地実験を行ったところ藻場現存量だけではなく群落構造の把握についても活用可能であることが示唆されたので報告する.