海岸工学論文集
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Super Gradient Wind (SGW) を考慮した台風の風の推算と高潮数値計算
的場 萌実村上 和男柴木 秀之
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2006 年 53 巻 p. 206-210

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抄録
従来の高潮数値計算における気圧分布にはMyersのモデルが多く用いられてきた. しかし, この気圧分布モデルを用いて瀬戸内海に来襲した3つの台風の風速分布を追算した結果, 2つの台風において台風中心近傍での最大風速が観測値を大きく下回り, またそれに伴う高潮偏差も過小評価されることがわかった. Myersモデルの気圧分布ではこのような台風中心近傍で発生しているとされているSuper Gradient Wind (以下SGW) を考慮していないため, 本研究ではMitsuta・FujiiによるSGWを考慮した風速分布のモデルと, Myersの式にもう一つのパラメーターBを追加した拡張式 (Hollandのモデル) を用いて計算を行った結果, SGWを考慮した計算値が得られ, 実測値に近い風速および高潮偏差が得られた.
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