抄録
釧路港西港区の港口付近を中心とする水深14m航路・泊地において, 近年, 堆積現象が見られている. 堆積物の主成分は微細な粒径のシルト・粘土であるが, 西港区周辺に分布する主な底質は相対的に粒径の大きな細砂である. これら細粒底質の発生から堆積に至るまでのメカニズムを解明し埋没対策を立案するため, 系統的な現地観測や凝集実験を実施するとともに堆積現象を再現する数値モデルを開発した.その結果, 周辺河川から供給される懸濁粒子が堆積物の主要な起源であり, その凝集に海水だけでなく工場排水も影響していること, 高波浪時に細粒底質が港口周辺に輸送され, 静穏化とともに港口近傍の航路・泊地において卓越して堆積することが分かった.