抄録
現地測量によって得られた汀線データは短期的に生じる岸沖漂砂による海浜地形変化と, 長期的に生じる沿岸漂砂による海浜地形変化の双方を含んでいる. この様な複雑な海浜地形変化のメカニズムを知るため, 本研究では1996年から現在まで継続的に蓄積されている仙台海岸汀線データを使用した. 岸沖漂砂による汀線変化と沿岸漂砂による汀線変化の双方を含む現地観測データと, 経験的固有関数法によって分離した沿岸漂砂量のみによる汀線変化のデータ, さらに一年に一度に間引いた実測データの三種類を使用し, それぞれから得られる漂砂量係数, 海岸線位置や沿岸漂砂量の分布を比較することにより, 漂砂量係数に及ぼす岸沖漂砂の影響を定量的に検討した.