抄録
フェリーに設置されたADCPによる流向流速観測は, 広範囲かつ定期的に実施できるため優れている. しかし, 夜間や荒天時には観測できないため, データが不連続となり, 通常の調和解析では不連続な残差流しか推定できない. 本研究では東京湾口のフェリーで観測されているADCPデータに対し赤池ベイズ型情報量基準 (ABIC) を適用し, 連続的な残差流を推定した. その結果, ABICを用いることで毎日12時間欠測のあるデータからも, 欠測の無いデータからと大差ない残差流が推定できることが分かった. また, 東京湾口での1ヶ月平均の残差流は冬にエスチュアリ循環型, 秋に中層貫入型であり, 海水交流量は秋に最も大きいことが分かった.