抄録
半閉鎖性水域では, 陸域からの栄養塩の過剰流入による富栄養化, 植物プランクトンの異常発生による赤潮, 風作用下での貧酸素底層水塊の湧昇による青潮など水環境問題が深刻化している. そこで, 本研究では, 半閉鎖性海域の一つである伊勢湾を対象にこれまで長期かつ広域にわたり実施されてきた三重県科学技術振興センターによる浅海定線調査の観測データを活用し, 伊勢湾の密度構造と水質構造の季節変動特性を議論した. その結果, 夏季に成層化が発達し, 冬季で水温成層の鉛直逆転が顕在化すること, 夏季の湾底層全域ではDO値が3.0mg/1以下となっており, 貧酸素化していることなどが明らかになった.