抄録
国際的な情報氾濫が加速される中,大量の英語情報から価値のある情報をすばやく識別摂取できる能力が重要となっている.しかし日本人は,英語に対する不利性が大きく,このような能力を獲得することが困難である.筆者のグループは,その最大の原因は日本語と英語の言語差異であると考える.しかしこのことは,外国人のみならず,日本人にも本当のところはあまり理解されていない.この点をもっとアピールして,抜本的な対策を講ずることが必要である.従来は,このような日英の言語差異を客観的に証明し,わかりやすく説明できた例は無かった.そこで,自動翻訳を用いて言語間の差異を示す方法を考案し,実際に検証を行った.その結果,日本語と韓国語は,他のヨーロッパ系言語や中国語とは明らかな差異があることを示すことができた.