2023 年 112 巻 5 号 p. 761-768
Sglt2阻害薬は,従来の大規模前向き臨床試験により,糖尿病の有無にかかわらず腎保護効果を示すことが明らかとなり,治療抵抗性の慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者への有用性が示されている.CKD患者は心不全を合併していることも少なくなく,Sglt2阻害薬は心不全を合併しているCKD患者に有用である.今後,Sglt2阻害薬の使用が増加することが予想され,適正に使用されるよう,日本腎臓学会から「CKD治療におけるSglt2阻害薬の適正使用に関するrecommendation」が発出された.Sglt2阻害薬による透析導入患者の減少が期待される.