抄録
近年我が国では少子高齢化が問題となっている。少子化に伴い働き手となる介護福祉士が不足している。一方で高齢化による介護を必要としている人の増加も問題となっており,その増加につれ認知症患者になる人も増えている。認知症患者の中には夜間徘徊を行う人もおり,死亡事故に至るケースもあり問題となっている。
本研究では,その夜間徘徊を防止するために超音波センサを用いた行動検知器の研究開発を行っている。すでに開放型超音波センサを用いた行動検知器は完成しており技術提供もしている。数年前より,様々な状況にも対応できるために、防滴型センサを用いた検知装置の研究開発を行っている。Fig. 1に防滴型超音波センサを示した。しかし,防滴型超音波センサは,開放型超音波センサと同じ性能にするためには印加電圧をDC9VからDC50Vまで昇圧する必要があり,介護の現場においてこの数字は危険であるため,DC15Vまで降圧が必要であった。昨年度の研究によってDC25Vまで降圧されたが,測定可能距離が150cmとまだまだ足りない上,危険な電圧である。
今年度の研究では更なる降圧,測定距離の向上,受信精度の向上を目標とした。