抄録
現在の魚釣り人口は減少傾向にある。2011年の釣り人口は930万人と推測されており,過去最高であった1998年の2020万人と比べ,半減している。原因として,2005年に施行された「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」においてゲームフィッシングの人気対象魚のブラックバスが特定されたことや,テロ対策による港湾施設の立ち入り禁止区域の拡大といった釣り場環境の減少などがあげられ,もっとも有力なのは若者のスマホブームなどで20代,30代が釣りから離れていることが考えられる。また,エサや釣り上げた魚もしくは,魚のエサを触るのが苦手な方が大勢いるのが現状である。釣り上げた魚を触るのが苦手な人の中で最も多いのが女性であり,現在の女性の釣り,及びピクニック,登山などの参加率の推移を見ると,過去10年で変動がないことがわかる。
そこで,女性や障害者の方をはじめとするすべての方に魚釣りを安全に楽しんでもらい,このシステムにより今後,魚釣り人口が増加するような魚釣り支援の方法として,自動で釣り針にエサを取り付けられる,『フィッシングサポートシステム』を提案する。